研究活動において,論文読みは主な活動の1つです.
そしてほとんどすべての一流学術誌・会議の論文は英語で書かれています.
つまり,今さら言うまでもないですが,良い論文を読み有力な場で研究成果を発表するには英語から逃げることはできません.
けれども,様々なツールが私たちを助けてくれます.
中でも,近年精度を大きく向上させているGoogle翻訳を筆頭に翻訳ツールにお世話になっている人は多いと思います.
もちろん,論文を読む際にも有用です.
しかし,論文はpdfで公開されていることが多く,文章をコピペするとレイアウトが崩れてしまいます.
それによって,不自然な箇所で切れた文章に対する翻訳が出来上がってしまいます.
その問題に対する解決策の1つは,Shaperのような整形ツールを噛ませて翻訳をかけることです. dream-exp.hatenablog.com この方法の問題点は,コピペと整形を何度も繰り返す必要がある点です.
また,可能な場合はHTMLに変換して翻訳をかけるのも有効です.
こちらの手法の問題点は,HTMLに変換できない(あるいは手間がかかる)論文が存在する点です.英語がそこまで好きでない人にオススメなarxivの論文の読み方
— いとう (@k1ito) May 23, 2018
1、arxivで読みたい論文のURLをコピーします。
2、https://t.co/lnaA70w7pb にURLをペーストします。
3、数分待つと論文がHTMLになります(時々無理な論文がある)
4、そのURLをGoogle翻訳に突っ込みます。
→論文が読みやすい日本語に! pic.twitter.com/nY531sYu9k
そこでこの記事では,
1. なんどもコピペせずに済み
2. HTMLに変換できない(あるいは手間がかかる)場合でも利用可能な
PDF.jsとImTranslatorの方法を紹介します.
ImTranslatorは人気の翻訳ツールの1つです. chrome.google.com Chrome拡張が提供されているので是非とも使いたいところですが, 残念ながらpdfに対しては機能しません.
そこでmozillaが提供しているPDF.jsと組み合わせて使います. github.com ローカルでビルドしてもいいですが, viewerを使うのがお手軽です. mozilla.github.io
やり方としては,PDF.jsのviewerを開き,論文pdfをアップロードして,あとはImTranslatorを使うだけです. こんな感じです.
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デフォルトはGoogle翻訳ですが,Microsoftなどの翻訳に切り替えることもできます.
ただし,ImTranslatorに特徴的な機能であるInline Translatorは正しく表示されないため使えません.
個人的に好きな機能なので残念ですが,pdf中の文字を動かせないならやむを得ないですね.